民法900条 法定相続分①(子と配偶者)

相続に関する法律は『民法』に記載されています。


民法900条

同順位の相続人が数人あるときは
その相続分は、次の各号の定めるところによる。
1 子及び配偶者が相続人であるときは
子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
(2 以降は、次回以降に説明します)

と規定しています。


亡くなった方の、夫または妻(配偶者)と、子供が相続人の場合

という一番典型的な場合です。

ちなみに、相続人が配偶者の場合も、民法901条はにより、同じことになります。


それぞれの相続分は以下のとおりです。

1人と配偶者の場合は、2分の1ずつ

2人と配偶者の場合は、配偶者が2分の1、は4分の1ずつ

3人と配偶者の場合は、配偶者が3分の1、は6分の1ずつ

2人、0人、配偶者の場合は、配偶者が2分の1、は4分の1ずつです。


形式的にみると当然にみえますが、現実には違和感を覚える場合もあります。

たとえば、夫名義の土地建物に夫婦で住み

老後の資金もすべて夫名義の預金に入れている。

子供の世帯とは、別に生活しており、家計も当然独立している。

よくある場合です。


こういう状況であれば、夫が亡くなっても

そのまま全財産は妻が引継ぎ

妻も亡くなってから、子供達で財産分け

という流れのほうが自然な気がします。


夫としても妻としても

自宅や老後資金は、2人の生活のためのものであって

どちらかが先に亡くなった場合に

資金の半分を子供に渡すなどということは

あまり考えていないことのほうが多いでしょう。


子供が

「法定相続分はともかく
母さんだって今後の生活があるんだから、
亡くなった父さんの遺産は、母さんにすべて譲るよ。」
というのであれば問題はありませんが

子供も結婚して家庭があったりすると

そうすんなりとはいかないケースも出てくる可能性もあります。


そんなわけで

「法定相続分にしたがっていれば、まあうまくいくだろう。」
とは限りません。

この場合は

”妻に全財産を相続させる”旨の

遺言書を作っておくのがよいと思います。

相続問題については、当事務所のホームページの

こちらをご参照下さい。

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