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区分所有法とマンション管理組合の実態

水曜日, 11月 10th, 2010
マンションの管理の方法については

区分所有法に規定があります。


区分所有法が想定するマンション管理の仕組みは

”個々の区分所有者”

区分所有者全員で構成する”集会”と、

マンション居住者に限らず

しかも選任しなくてもかまわない”管理者”
という構造になっていて、

”個々の区分所有者”は、保存行為だけできる。

保存行為を超えた管理や変更は”集会”で決める。

”管理者”は、訴訟権限は規約で定められるが、

それ以外に特に大きな権限はない。

という仕組みになっています。


ところが、現実の管理組合を運営しているのは

いわゆる理事長や理事で構成される”理事会”のことが多いです。


理事長は、区分所有法上の管理者と規約で定められていることが多いのですが

理事や理事会については区分所有法上に規定はありません。

ですから、理事長にも理事会にも

区分所有法上はほとんど権限は与えられていません。


なお、管理に関することは、規約上

集会の決議でなくすることもできますが

標準管理規約でも総会(集会と同義)の決議事項とされています。


その結果、実際に管理組合を運営している理事会は

せいぜい保存行為(つまり、誰でも単独でできる行為)

くらいしかできないことが通常です。


そのような事情により

実際に何かしようと思うと

集会(総会)の招集がいちいち必要になってしまい、

臨時総会を招集する面倒さと、

年に1度の通常総会を待つことによるリスクとを

比較較量しないとならないことが多いです。


現実に運営している理事会にある程度の権限を与えて

それを監督する仕組みが整った方が

マンションの管理はより円滑に行くのではないかと思います。


当事務所には、「マンション法(区分所有法)」に詳しい弁護士がいます。

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