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原発事故と科学オカルト

土曜日, 3月 26th, 2011
原発事故がなかなか、おさまりません。

水道水の買占めがあったり、タクシーの乗車拒否があったり、目に見えないものに対する恐怖で、軽くパニックになっているようです。

でも、今言われている危険性なんていうのは、将来において、ほんのわずかだけ、癌になる可能性が高まるかも、というレベルの話です。

しかも、とりあえずは、その産地のほうれん草を食べなかったり、乳幼児でなければ、その危険さえないはずです。

政府も専門家も口をそろえて、そんなに騒ぐほどのことでないと言っていますが、なかなか納得しない人もたくさんいるようです。

確かに、専門家が安全だと繰り返した原発があのザマでは、専門家の言うことはアテにならんというのもわかりますが。

それにしても、ここまで大騒ぎになってしまうのでは、政府は国民の全体的な安全のためには情報統制をしたほうがよいのではないかと思いかねません。

でも、もとをただせば、過度な健康志向、清潔志向、安全志向が、今回のパニックの遠因のような気がします。

タバコの副流煙が危険だとか(真っ黒な肺の写真をみせて・・でも、囲炉裏端で生活していた人の肺も同様だったのではないだろうか?古民家の梁も真っ黒だし)

紫外線が健康を害するとか(モグラではあるまいし。太陽光が有害光線だなんて。美白の敵にはなるかもしれませんが)

ばい菌は危険だ除菌・除菌(成人の体表には1兆程の微生物(ウィルスも含む)がいるのが通常だそうです。でも普通は病気になりません。抵抗力が弱っている病人は別でしょうが)

なんて言い出せばきりがないほど、ほとんど目に見えないものを怖がってきました。

そんな神経過敏にさせられた人にとって、放射能だ被曝(被爆ではない)なんていうのは、耐えられない恐怖になってしまうのもやむをえないのかもしれません。

必死になって守ってきた、健康の確率がわずかでも低下することになるのですから。

でも、古来、人間は目に見えないものを不合理におそれて、騒いできました。

そうすると、この種の科学オカルトも、人間の文化の一部なのかもしれません。