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契約書の要否

水曜日, 9月 14th, 2011
「約束したけど,守るつもりはない」とは言わせないのが,
契約のルールだと言いました。

でも,実際に多いのはむしろ「そんな約束をした覚えはない」
という話です。

法律上は,約束は口約束でも契約書にしても,「約束は守らなければならない」
ということで一緒なのですが,「そんな約束はした覚えはない」
と言わせないための証拠として,契約書が大切になってきます。

証拠に使うという面では,紙切れにでも書いておけば,
弁護士に頼んで契約書を作ってもらう場合や,
公正証書で契約した場合と,本来は一緒です。

でも,実際の裁判の場だと,本人同士で作った
約束事等が書いてある書面は,なんだかんだ
理屈をつけて効力が否定されてしまうことも
少なくありません。

実際のところ,ただの個人同士でわざわざ
約束事を書面にすることはマレなのに
書面ができているということは
どちらかが一方的に強かったのではないかとか
何かごまかしがあったのではないか
動転していて真意ではないのではないか
とか,裁判官はみているようです。

でも,そもそも書面がなかったら,
「そんな約束をした覚えはない」
と言われてしまったら,難しくなることが多いです。
今の民事の裁判では,書面がないと立証したことには
ならない面があるからです。

つまり書面がないと立証が難しい。
書面があっても,素人書面だと効力が認められないこともある

というのが実情です。