音楽もろもろ


子供が中高生のせいか,車の移動中には,今流行の曲がかかっています。
年をとったせいか,どれもこれもなんだかピンときませんが,同じ曲を色々な人が演奏するという文化になっているようで,これはナカナカです。
芸術の本質はまねることだとアリストテレスが言ってたような気もしますが,自分の作った曲を人に歌わせまいと権利主張する姿はみじめったらしくもあったので,おのずと健全な方向になったのではないかと思います。



今音楽はストリーミングですが,自分が中高生の頃は,カセットテープにラジカセ,ウォークマンで,レコードからCDに代わっていく段階でした。
その昔,鶴ヶ峰のロイヤルマートという昭和風ショッピングセンターには,サントイスというディスカウントショップがありました。ここが,1円テープという目玉商品をはじめ,諸々安く売っていたので,当時の音楽の思い出と結びついています。



音楽の聴き方がストリーミングになったことの大きな利点は,ちょっと人が勧めている曲を気楽に聞けるようになったことです。新聞なり,ネット上なり,勧めている曲があってもCDを買ってまで聞こうとは,なかなか思えません。でも,さっと検索して聞いてみて,ということは簡単なので,興味の範囲が広がりやすくなった気がします。
騙されたと思って聞いてみて,騙されていたとしても,5分かそこらの無駄で済みます。



そんなわけで,騙されたと思って聞いてみると,意外に長い付き合いになるかもしれないと,私が思うものをいくつか紹介します。



グレングールド
クラシックのピアノです。そんなもん聞いてられる人は10人に1人程度でしょう。私も,グールド以外はだめです。
ベートーベンの悲愴の第1楽章 又は
バッハを適当に(適当では困るのであれば,ゴールドベルク変奏曲)
聞いてみるのがオススメです。



セロニアス モンク
これもピアノですが,今度はジャズです。私は,音楽は雑食ですが,ジャズを聴けるようになるのは苦労しました。でも,ジャズが苦手でも,あまり関係ないだろうと思います。
solo monk
というアルバムを聴いて,1曲目を聞いて「スゲー」と思うかどうかだろうと思います。このアルバムは,一人で演奏しているので,拍を微妙に飛ばしたり,自由自在なので,かなりよいです(そういうのが苦手な人に向かない)。
その他のアルバムの大半は,いわゆるジャズなので,ジャズが苦手な人はだめでしょう。



soweto kinch
現代のサックス奏者のようです。
The Black Peril
というアルバムがよいです。大正ロマンとでもいう雰囲気でかかる,メロディーが分かりやすいジャズに,ラップみたいなセリフがからんできて,それを尋常でないキレキレのリズム感で演奏しています。



Rumillajta
フォルクローレ,つまりアンデス音楽です。学生の頃に聞きすぎたせいか,15年くらいは聞く気が起きなくなっていたのですが,毒が抜けて最近また聞き出しています。いわゆるワールドミュージックは,色々ありますが,インド・中東系は歌いまわしが,ああなっちゃうし,アフリカは和音を奏でる伴奏楽器に限界があるしとかで,フォルクローレは適当なところで西洋音楽をうまいこと取り入れているので,適度なエスニックさと聞きやすさのバランスは抜群かもしれません(ちなみに,フォルクローレは同じ曲を色々なグループが演奏する文化があります)。
この手のものは,洗練されすぎてもつまらないし,あまりにも原住民色が強いと理解不能で退屈してしまいます。そのバランスは人それぞれなのですが,とりあえず,Rumillajtaは,西洋音楽的なルールを逸脱しない範囲で,演奏のエネルギーは西洋音楽とは別のところ(面白い音を出すとか,すごい音を出すとか)に向いています。いくつかアルバムを聴けますが,どれでもよいだろうと思います。



Djabote
せっかくなので,民族色バリバリのすごいのを紹介。セネガルかなにかの太鼓軍団です。
昔,佐渡でアースセレブレーションという,鼓童というグループが主催する打楽器祭りのようなものに行ったのですが,それに出ていました。あまりにすごかったとしかいいようがありません。このあとも他のグループ(世界からきた一流のはずの人たち)が様々な打楽器を演奏しますが,リズム感のレベルが違いすぎて,ちょっとかわいそうでした。
この演奏を聴いたあと,もう一度聞きたくて,大きなCD屋にいくたびに,アフリカコーナーを探すことが習慣化していました。ネット社会になって,ようやく入手できました。
音楽として楽しめるかどうかは,わかりませんが,何かすごいものを聞いてみたい人には,おすすめです。



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