尊属と卑属

法律用語で「尊属」「卑属」という言葉があります。

「そんぞく」「ひぞく」と読みます。

尊属というのは、親や祖父母のことです。

卑属は、子や孫のことをいいます。


どちらも耳慣れない言葉だとは思いますが

ニュースなどで子が親を殺害したような事件で

尊属殺人」という言葉を聞いたことはないでしょうか?

この「尊属」はつまり親や祖父母のことです。


一方の「卑属」、子や孫のことは

漢字の意味から考えると「いやしい属」というのは

考えてみればすごい言葉です。


話は戻りますが

以前の尊属殺人を犯した場合の刑罰は死刑か無期懲役でした。

一昔の感覚からすると

”親殺しをする人間なんて人間じゃない!”
という位の感覚だったのでしょう。


ひるがえって最近は

親による子の虐待の方が、世間的な興味や関心もあり

弁護士会にも”子どもの権利”に関する活動をしている委員会もあります。

しかし”親を大切にしましょう”という運動をしている人がいるという話は

聞いたことがありません。


日本人は変わってしまったのでしょうか?

そのうち、尊属卑属の意味が入れ替わる日がくるのかもしれません・・・。

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