成年後見で,信託銀行関与の新制度

本日の朝日新聞に

後見人代理で財産管理 信託銀行と家庭裁判所 不正防止も

との記事がありました。


成年被後見人の財産の一部を信託銀行に預け、

そこから財産を引き出す場合には

家庭裁判所の許可がないと引き出せない、という仕組みを作るとのことです。


家庭裁判所の許可を必要とすることで

成年後見人による財産の浪費を防いで、高齢者の財産を守ることができます。


財産を守るためには、弁護士等の専門職の後見人をつければよいのですが、

身内でなく専門家に後見人を依頼する場合は

費用(月額3万から5万程度が多い)がかかります。

この制度があれば、後見人をつける費用を節約することができます。


この制度について、わざわざ信託銀行に絞り込まずに、

他の銀行も扱えばよいようにも思えます。

都市銀行が、ややこしい扱いをきらって協力せず、

信託銀行が、預金でなく信託であれば協力するという流れだったのかもしれません。


成年後見制度が始まって10年経ちますが、

まわりの制度が追いついていないように感じる部分もあります。


たとえば、ある程度複雑な法律問題を抱えてはいるが

長期間にわたって弁護士を成年後見人にする程でもないようなケースは

弁護士などの専門家を成年後見人にするのではなく

成年後見人は身内にして、

その後見人が弁護士に仕事を依頼するという方法もあると思います。


この場合、成年後見が弁護士に法律問題の解決を依頼し

弁護士費用は成年後見人が支払います。

問題の解決後は弁護士との契約を解消すれば、

費用を節約できます。

(成年後見にと弁護士との契約の解消については、家庭裁判所が関与します。)


これは単なるアイデアで、

当事務所でこのような事案について実績があるわけではありませんが

今回の信託銀行との制度は、これに近い方法をとっているのかもしれません。

(弁護士が関与するのは信託銀行との契約までで、

それ以降は弁護士は関与しないとありました。)


この信託契約が始まることで、

今後、このような方法が広がっていくかも知れません。


当事務所では、後見制度のご相談を受け付けております。

詳しくはこちらをご参照下さい。

Comments are closed.