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子曰く

月曜日, 6月 13th, 2011
ヤクルトは,いまだ首位を守っています。
好調小川ヤクルトの特徴は,野村野球への回帰です。
現在の,コーチ陣の大半は,野村ヤクルト時代の選手やコーチです。
さらに,最近トレード等で獲得した選手の多くも,阪神や楽天で野村野球を
経験した選手です。

野村監督以降,若松監督時代は野村野球は継承されていましたが,
古田・高田両監督時代に,ほぼ根絶やしになりました。
ただ,野村時代を知る選手コーチの中に,根強く
今の戦力で勝つには野村野球に戻るしかない,という雰囲気があり,
やはり野村野球を尊敬する小川監督の下で,それが復活したようです。

野村監督自体は,個性も強く,実際監督になると色々つらい面もありそうですが
今のヤクルトは,「野村監督はこう言っていた」ということを皆で考えながら,
野球をしているような雰囲気も感じます。
さながら「子曰く」の世界です。

さて,先日,ヤクルトの石川をエースとしてほめる記事がありました
ヤクルトの選手を取り上げてくれるのはうれしいのですが,明らかにヤクルトをよく分からず書いているようです。
100人中99人はヤクルトのエースは石川だと考える?わけはありません。
すくなくとも,現在のヤクルトを知っていれば,エースは石川は館山か,極めて悩ましいというのが正しいところです。

たしかに10年スパンでの活躍は石川が上ですし,館山も石川がエースだと認めています。
でも,ここ3,4年の間,私としては,「館山の日は負けられない」という気持ちです。
石川の日には,そんなことは思いません。相手方の投手・打線次第です。

そして,小川監督も,5/31の試合のコメントで,「館山が投げる試合は何としても勝たないといけない」
と言っています。チーム自体もそういう雰囲気だと思います。
館山は,調子が悪くなければ,相手がダルビッシュであれ杉内であれ,または相手打線が絶好調でも
十分勝てる,または最低限引き分けに持ち込めるだけの信頼感があります。
そして,数年にわたってこれだけの信頼感あるピッチングを続けるピッチャーは,尾花がエースだった頃以降,
ヤクルトにはいなかったのではないかと思います。

そして,今年の交流戦当初のチーム絶不調の中でも,館山の日だけは負けずにすみ,
そのうちチームも盛り返しました。
チーム状態がいかに悪くても,そのときは無失点でしのいでチームを勝利に導き,
チームもその投手が投げるときは絶対に勝つという気持ちでいる。
それがエースのイメージですが,この点ではヤクルトのエースは間違いなく館山です。

館山の現在の力からすると,ヤクルトというよりセリーグのエースでしょう。
確かに,今年だけなら内海の方が上ですし,去年はマエケンの方が上ですが,
ある程度の年数で見たら,館山がナンバーワンだと思われます。

今年の交流戦も,パリーグの圧勝ですが,そのパリーグ相手にほとんど完璧のピッチングを続けています。
現時点での交流戦の投手10傑に入っているのはセリーグでは館山だけ(現在4位)です。
強い?パリーグ打線相手に,パリーグのエースクラス同様の成績を収めています。

そんなわけで,我が家では館山のことを「影のエース」と呼んでいます。