武富士元代表者の責任を認める判決4

今回は、この判決の法律解釈上の特徴について書きます。

法律解釈上の問題としては、
過払い金の請求は原則として不法行為にならないとした
平成21年の最高裁判所の判断の解釈が問題です。

同判決によると、過払い金の請求は原則不法行為にならず
不法行為になるのは
暴行・脅迫があった場合や
債権がないことを分かっていて請求したり、
容易に債権がないことが分かるのに請求した場合等
ひどい場合
に限るという判断でした。

法曹界の大半は、これで、過払い金の請求は
不法行為にならないということで決着した
と受け取ったようです。

そのことは、本件の提訴後、
類似の訴訟がほとんど提起されず、
また、本件等の裁判中での裁判官との話の中で
思い知りました。

でも、当事務所は、上記平成21年の最高裁判所の判断は
そのようには解釈せず、
平成18年1月のグレーゾーンを否定した最高裁判所の
判断後は、むしろ不法行為を構成する旨を判断した
ものと理解しました。

なぜなら、平成21年判決は、
平成18年1月の最高裁判所の判断が出る以前は、
グレーゾーンについて色々判断が分かれていたから、
容易に債権がないことを知ることができない
と判示しているからです。
裏をかえせば、平成18年1月以降は・・・
ということでした。

でも、その解釈はマイナーだったようで、
提訴後に、当事務所の解釈に反する
下級審の判断がたくさんあることを
相手方から示されました。

しかし、ついに平成21年の判決を正確に
解釈した裁判例が出たということが、
今回の判決の法律上の意義ということになります。

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