寓話の愚か者

弁護士には会務というものがあること
多くの弁護士は会務を本業より大事にしていること
私は会務に否定的であること
は以前に書きました。

とはいえ,私自身は弁護士会の新聞を作る会務をしています。
しかも弁護士会にはメルマガというものがあって
その編集をする会務も,いつの間にか割り振られていました。

このメルマガ,登録している会員が対象で,内容は弁護士全員に送付される
FAXと同内容なので,存在意義は疑わしいものです。
(FAX廃止に向けた動きという位置づけですが,本気でFAXを廃する気はない)
そこで,先日,メルマガ廃止を訴えたのですが,駄目でした。
このメルマガを作る仕事の苦痛は,なんと言っても編集後記というものです。
一体,何を書いたらよいものかわかりません。
私は,雑談がとても苦手です。
何を話して良いのか,というのと同じ,どうにもならなさです。

でも,雑談が苦手なのは克服しなければと思っているので,
その訓練だと思って,数時間ひねりだそうと努力するのですが,
結局,妙案が浮かばないまま,
これ以上,このくだらない作業に時間を費やすこともできないため
あまりに内容がない,挨拶文を書いて,
文句が出ないことをひたすら祈りながら,終わるのを待ちます。

ところが,メルマガ廃止を訴える際に,いかに編集後記に苦労しているか
アピールしたところ,そんなに大変であれば,編集後記は書かなくてよい
ということになりました。

この上ないよろこびです。年間で10時間程の時間がういたかも知れません。

その後,弁護士会新聞本体の役割の小変更があり,今までの原稿集め
や原稿書きをする仕事から,それをとりまとめる役割に変わりました。
まあ,どっちが大変かよくわかりませんが,
メルマガの件もあり,気分よく了解しました。

しかも,この役割変更に伴い,メルマガ作成もお役ご免になりました。

ところが,家に帰ってよくよく考えてみると,
今度の役割は,弁護士会新聞自体の編集後記を書く役割も
あったのです。
弁護士会新聞は,会員全員及び会員以外にも配布されますので,
プレッシャーはメルマガの比ではありません。

完全に油断していました。
やはり会務といえども,ふだんの弁護士仕事をするような油断ならなさで
取り組まないと,大きなものを失うことになります。

 

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