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戻ってきたエース

火曜日, 8月 31st, 2021

ここ何年も野球はさっぱり見なくなりました。
勝ってるなと思ってテレビをつけると、あっという間に逆転されるというジンクスが、あまりにも執拗に続いたためです。ここまで続くと、野球のテレビをつけるということが、忌まわしい記憶と結びついて、避けるようになります(CSで目的のチャンネルを探すのが異様に困難なことも一因ですが)。
とはいえ、経過や結果は気になるので、ちょくちょくネットで様子をみています。



今年はスワローズは頑張っています。オフでフリーエジェント3人を必死に食い止めたり、田口を取ったりと普段よりは頑張ったのが効いたのでしょうか?
いや、何割かのファンは、ある特定の原因、ずっと待っていてようやく実現できたある原因に思い当っているはずです。



スワローズは、ここ何十年か、打撃コーチに恵まれてきました。伊勢さんや杉村さんが、日本人をうまく育て、外人をうまく適応させました。打者については、まず心配ないレベルどころか、おそらく他球団がうらやむレベルを維持できていたことが多いです。青木(通算打率歴代1位)、バレンティン(本塁打日本記録)、山田(唯一のトリプルスリー3回達成)、村上(様々な最年少記録塗り替え中)が同時期にプレーしていたというだけでも、びっくりです(これで弱いのが、さらにびっくりですが)。
ところが投手については、特にここのところの低迷期に目立ちますが、どうにもなっていないです。
あまりも投手がダメなのは、捕手のリードのせいの気もしましたが、捕手が変わっても、ほとんど光が見えません。
やはり、伊勢さんや杉村さんに匹敵する名投手コーチが必要なのは明らかです。



とはいえ、誰を連れてくればといっても、最近は少し枠を外しているとはいえ、コーチも基本はヤクルトOBになるだけにに、なかなか難しいところです。
ところが、実はすごいのがいるんです。元ヤクルトのエース尾花高夫です。
野村ヤクルトの前の低迷期のエースです。球速は遅いのですが、抜群のコントロールとテンポのよさで、ほどほど抑えていました。記憶だと、ツースリーピッチャーとか説明していた解説者がいました。しょっちゅうツースリー(今でいうスリーツー)になるのです。イメージとしては、ボールが3つになるまでは、ストライクゾーンから半分だけはずれたところに投げて、スリーボールになったら、半分だけ内側に入れる。というような芸当です。
尾花が本領を発揮するのは、引退後です。
ロッテ 6位5位5位→尾花就任→2位5位
ヤクルト 1位1位4位→尾花就任→1位4位
ダイエー(ソフトバンク) 6位4位3位→尾花就任→1位1位2位2位1位2位2位
巨人 3位3位5位→尾花就任→4位1位1位1位
たいてい防御率を劇的に改善して、チームを強豪に押し上げます。
ところが、このあと某球団の監督に就任して、結果を出せず、なんとなく目立たなくなってしまいました(実際には強い原巨人を支えていた)。



で、だんだん巨人でも一線をはずれている感があったので、一定割合のヤクルトファンとしては飼い殺しにせずに早くヤクルトに返してくれと思っていたはずです。



そして、ついに今年から復帰です。今は2軍で投手コーチです。さて、尾花コーチは健在か。うまくすれば、最近の中では最大の補強になるかも。と期待していました。
いや。びっくりです。昨年までぴりっとしなかった連中が、2軍から上がってくると見違えるようになってます。そして、劇的に防御率が改善し、これから首位攻防戦という、ここ何年かの低迷ぶりからしたら想像もつかない状況です。
まあ、最終的にシーズンがどうなるかはわかりませんが、私がテレビをつけたとたんに投手が滅多打ちになるようなことがなくなり、いずれは野球のテレビ観戦を楽しめる日が再び来ることを期待しています。