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優勝の理由

金曜日, 10月 29th, 2021

ついにやりました!
ヤクルトスワローズ優勝です。
8月頃には随分強くなったなあ,と思ってましたが。まさか優勝するとは。
高津監督,選手の皆さん,ありがとうございました。



やはり,高津は監督として有能だと思ったんです。
なんといっても,選手時代,あれだけ打たれまくって,高津劇場と揶揄されながら,リリーフエースの立場を守り続けた。失敗を翌日にひきずらずに,翌日にベストを尽くす能力は監督としても如何なく発揮されました。
また,日本野球やメジャーだけでなく,韓国,台湾,BCリーグを渡りあるいた苦労人的経験も生きているのでしょう。さらに・・・・
ネット上でも,なぜ高津監督はよかったのか,他球団の監督と比較する記事が色々出ています。



でも,ちょっと待てよ。と多くのヤクルトファンは思うはずです。
高田監督途中退任後,監督代行として劇的快進撃をみせ,翌年もほぼ優勝しかけた小川淳二監督。
何がすごいのか,というところで本も出ました。
奉仕するリーダーシップ 小川淳司監督はヤクルトに何をしたのか



でも,その後の低迷ぶりはご存じのとおり。
その2年連続最下位のあと,今度は劇的な優勝に導いた真中満監督
これまた,真中の何がすごいのかを記した本も出してます。
できない理由を探すな!―スワローズ真中流「つばめ革命」 でも,その後5位,6位(このときは球団ワースト96敗)と低迷。



そうなると,監督のやり口云々の話は,眉唾の気がしてきます。
では,優勝の原因は?
今年はけが人が出なかったから?けが人が出なかったのはタマタマか?誰かの功績か?
尾花コーチ?二軍で復活した人はともかく,ずっと一軍にいる人は無関係では?
昨オフ,頑張って山田,小川,石山を引き留めたから?3人ともいなかったら優勝できないかもしれないけど,3人ともビリの昨年にいた人。
最近ようやくドラフト1位が戦力になりだしている。ドラフト1位の活躍分だけは意味あるかも。
6位6位1位5位6位2位6位6位という流れからすれば,今年の大躍進はおおかた予想できた?
ということで,関係ありそうな要因を挙げろと言われればいくらでも,挙げることはできそうですが,その数が増えれば増えるほど,優勝の原因はなんだかわらかなくなってきます。



結局のところ,出来事に原因なんてものはないのですが,人間の思考回路がどうしても(できれば単一の)原因を求めてしまって,その結果,このようなことになるのだろうと思います。
とはいえ「優勝は無数の要因の相互作用によって引き起こされた」とかいっても,完全に興味を失ってしまいます。どこかでひっかかりながらも,「○○が原因で,優勝だ!」と説明するのが楽しいのです。



今回も,野村監督云々もたくさん出てきます。野村さんも,ヤクルトではうまくいったのですが,その後は,それほどうまくいったわけではありません。でも,野球の様々な場面について,人間が説明を渇望している部分を,とてもうまく説明しました。



いまだに多くの人が野村IDを語る理由もこういったあたりにあるのだろうと思います。