Archive for 3月, 2011

空き家を被災者に提供する

水曜日, 3月 30th, 2011
仕事の関係で、空き家を所有している話はよく出てきます。

亡くなった両親の自宅がそのままで、というような場合が典型です。

そのような方は、短い期間であれば被災者に貸してあげようかと思っている方もいるのではないかと思います。

でも、半面で、どのような人か分からないし、居座られたりしたら困るので、いまひとつ踏み出せないこともあると思います。

このような場合は、期間の定めをした使用貸借契約書を交わしておくのがよいでしょう。

そうすれば、決められた期間(たとえば3ヶ月)を過ぎれば、通常は、出て行ってもらうことができます。

もし、延長の必要があれば、再度、契約をすればいいのです。

よく、貸したら返ってこないと言われます。ただ、それは借地借家法の保護を受ける場合、つまり家賃を受け取る場合です。

家賃を一切受け取らない、使用貸借契約で、期間を区切っておけば、大丈夫です。

もし、使用上の注意事項や守ってほしいことがあったら、そのルールも契約書に書いておくとよいと思います。

しっかり作ると、色々ありますが、最低限、以下のように書いておけば大丈夫です。

使用貸借契約

1.甲は、乙に、AA市BB町1-1所在の建物を無償で貸す。

2.期間は、平成23年6月末日までとする。

甲 山田太郎 印

乙 田中次郎 印

 
 

五十嵐亮太~開き直りが常識を破る~

火曜日, 3月 29th, 2011
今、アメリカで野球をしている五十嵐亮太選手は、以前はヤクルトにいました。

デビュー後、中継ぎピッチャーとして頭角を現します。

石井弘寿とともに剛速球の中継ぎコンビ、ロケットボーイズなんて言われたこともありました。

五十嵐の直球のスピードは当時のプロ野球ナンバーワンでしたが、石井に比べると、安定感はいまひとつでした。

その理由は、変化球を投げる投球フォームと直球を投げる投球フォームが違うため、打者にどちらが来るかわかってしまうからです。

五十嵐自身もなんとなく変化球に自信がなさそうで、苦しそうに投げていることが多かった気がします。

そんな2003年シーズン終了後、抑えのエースの高津がメジャーに行きます。

そうすると、2004年の抑えのエースは、五十嵐か石井のどちらかがすることになります。

順当にいくと、石井が抑えのエースで、その予定でした。

ところが、石井が故障してしまいます。

そんなわけで、変化球を上手に投げられない五十嵐が抑えのエースになります。

いくら直球が速いとはいえ、直球だけではプロでは通用しないなんていうのは当たり前のことです。

でも、いままでの不安定なピッチングでは、抑えのエースとしては通用しません。

ここで、五十嵐は開き直ります。

ほとんど直球だけ、投げ続けました。

10球に1球くらい変化球も投げますが、明らかなボール球等、やる気のない球です。

その結果、なんとかなってしまいました。

さすがに、打者もプロですから、空振りはなかなかしません。

でも、開き直って投げてくる五十嵐の直球は、分かっていても、ヒットはなかなか打てません。

ファールになって、そのうち追い込まれたり、凡打になってしまったりで、何とか抑えのエースの役割を果たします。

そして得意な直球だけ投げていればよいという確信は、五十嵐の態度に自信をあたえ、直球は勢いを増していきます。

シーズン終わってみると、37セーブをあげてセーブ王のタイトルをとりました。

開き直ることによって、直球だけでは通用するわけがないとう常識を破って、直球一本やりでタイトルまで取ってしまったのです。

その後、故障をへて、渡米直前には、きっちり変化球も投げられるピッチャーになりましたが、2004年の五十嵐亮太はとても印象に残りました。

古い戸籍

日曜日, 3月 27th, 2011
実家で、古い戸籍をみました。

もちろん、仕事では戦前の古い戸籍はよく見るのですが、

古い戸籍を古い時期にとった戸籍ははじめてみました。

昭和22年頃にとった戸籍です。

まず、おどろくのは、全部手書きで写していると思われることです。

コピーがないので当然なのですが、かなりの手間になりそうです。

また、見たことのない「士族」なる記載があります。

調べてみると、現在は原本に記載があっても、謄本を作る際には記載しないとのこと。

さらに、興味ついでに、ネットの検索を組み合わせてみると、なんと、坂の上の雲の秋山兄弟と、すごーく遠いですが遠縁のようです。

祖父さんの兄貴の奥さんの姉(妹?)の旦那の弟(兄?)の奥さんの父親が秋山好古さん。

ちなみに、以上は母方ですが、父方には先祖は山本勘助だとの話もあります。

もちろん、これは戸籍を追っても調べようはありません。

まるでインチキ軍学者の経歴のようですが、困難な相手方との交渉に苦労している方は、当事務所にご相談ください。

原発事故と科学オカルト

土曜日, 3月 26th, 2011
原発事故がなかなか、おさまりません。

水道水の買占めがあったり、タクシーの乗車拒否があったり、目に見えないものに対する恐怖で、軽くパニックになっているようです。

でも、今言われている危険性なんていうのは、将来において、ほんのわずかだけ、癌になる可能性が高まるかも、というレベルの話です。

しかも、とりあえずは、その産地のほうれん草を食べなかったり、乳幼児でなければ、その危険さえないはずです。

政府も専門家も口をそろえて、そんなに騒ぐほどのことでないと言っていますが、なかなか納得しない人もたくさんいるようです。

確かに、専門家が安全だと繰り返した原発があのザマでは、専門家の言うことはアテにならんというのもわかりますが。

それにしても、ここまで大騒ぎになってしまうのでは、政府は国民の全体的な安全のためには情報統制をしたほうがよいのではないかと思いかねません。

でも、もとをただせば、過度な健康志向、清潔志向、安全志向が、今回のパニックの遠因のような気がします。

タバコの副流煙が危険だとか(真っ黒な肺の写真をみせて・・でも、囲炉裏端で生活していた人の肺も同様だったのではないだろうか?古民家の梁も真っ黒だし)

紫外線が健康を害するとか(モグラではあるまいし。太陽光が有害光線だなんて。美白の敵にはなるかもしれませんが)

ばい菌は危険だ除菌・除菌(成人の体表には1兆程の微生物(ウィルスも含む)がいるのが通常だそうです。でも普通は病気になりません。抵抗力が弱っている病人は別でしょうが)

なんて言い出せばきりがないほど、ほとんど目に見えないものを怖がってきました。

そんな神経過敏にさせられた人にとって、放射能だ被曝(被爆ではない)なんていうのは、耐えられない恐怖になってしまうのもやむをえないのかもしれません。

必死になって守ってきた、健康の確率がわずかでも低下することになるのですから。

でも、古来、人間は目に見えないものを不合理におそれて、騒いできました。

そうすると、この種の科学オカルトも、人間の文化の一部なのかもしれません。

再度:プロ野球早期開幕賛成!(ナイターも賛成!)

水曜日, 3月 23rd, 2011
前回,プロ野球の開幕について,肯定的な意見を書きましたが,世論の風向きはなかなか厳しいようなので,再度,書きます。

私は大規模災害に被災したことがないので,あくまで推測ですが,今,被災した人にとって,とても大事で,切実な願いは

時間を早送りすることだと思います。

仕事もなく,好きなこともできない状況で,悲しい記憶と将来への不安が重なる状況です。

とりあえず,仮設住宅ができて,今後の生活に希望がもてるようになるまで,時間を早送りしてやること。

できれば,ふと気づいたら3か月過ぎていて,仮設住宅に住んで,仕事も始まっていた状況になること。

時間があれば,悲しい記憶と将来への不安がもたげてくる中で,そういうことを考えなくて済む時間を作ることはとても大切だと思います。

そのためにできることは,例えばゲームが好きな人であればゲームを送ってみたりするのも,よいかと思います。

そして,プロ野球をラジオでも中継するだけで,1日3時間でも気が紛れて,その間,現実を忘れられる人が相当数いるのであれば,

それは十分な被災者支援だと思います。

確かに計画停電をしている中で,ナイターは怪しからんと思うかも知れません。

でも,日が暮れてから寝るまでの,もっとも色々考えてしまう時間,つまり被災者にとっては,時間を早送りしたい時間に,ナイターを中継したほうが,よいでしょう。

昼であれば,散歩するなり,運動するなり気を紛らわす方法は多少はあります。でも,寝るまでの夜はきついと思います。

そのためであれば,首都圏の他の光を減らしてでも,ナイター照明に電気を割き,被災地に野球中継を届けたほうがよいでしょう。

また,延長戦をしないなんて言っていますが,延長戦はどんどんしたほうがよいでしょう。

野球をして励ます,元気づけるなんて考えるから,「僭越な!」とか「まだその時期でない!」とかいう議論になるんです。

トランプやゲーム代わりに,気を紛らわす慰みとして,プロ野球を届ける考えればいいんです(選手としては不本意かもしれませんが)。

そういう点では,大相撲も,被災者のために,始めてしまってもいいのではないかと思います。

薪と化石燃料と原子力

火曜日, 3月 22nd, 2011
今回の震災による原子力発電所の事故により,今後の原子力利用について,大きな議論が起こるものと思います。

かといって,化石燃料を燃やし続けると,CO2だ地球温暖化だという問題もあるようです。

では,薪なんてどうでしょうか?

ところが,これがなかなか大変で,化石燃料や原子力の偉大さがわかります。

寒冷地の山小屋を薪ストーブであたためると,一日中(起きている間の16時間)で,5~6束薪を使う感じです。

買うと1束400円から600円で,1日2000円から3000円。

自分で丸太を手鋸で切って,斧で割る作業だと,5~6束作るとかなりへとへとです。

少し化石燃料の力を借りて,チェーンソー使うともう少し楽ですが,やはりそれなりに大変です。

1日5,6束の薪を数ヶ月分おくだけで,500束くらいの量になるので,置く場所だって困ります。

次に化石燃料。薪一束程度の容量の灯油があれば,ストーブだってかなり持ちます。

正直,薪を作るのに必要な化石燃料(運搬用のトラックの軽油,チェーンソーのガソリン等)で,薪による暖房がまかなえてしまうのでは,と思うほどです。

で,原子力,1cm程度のペレットで一般家庭の8か月分もの電力をまかなえるそうです。

危険があっても,原子力を推進したくなるのも分かる気がします。

そんなわけで,原子力の代替というのはなかなか難しそうですので

省エネ方向にするしかなさそうです。

実は、薪ストーブも家全体を暖めようと思うとたくさん薪を使うのですが、

薪ストーブの戸を空けて、ストーブの周りだけ暖めようと思うと、かなり薪が持ちます。

そんなわけで、コタツのような暖房が見直されるのかも知れません。

震災による休業や遅刻と給料との関係

土曜日, 3月 19th, 2011
震災による計画停電や電車の運行停止等によって、首都圏の会社の勤務状況についても影響がでています。

そのような中、厚生労働省が平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う労働基準法等に関するQ&A(第1版)として、

計画停電等で業務を休止した場合の給料の扱いについて公表しました。

基本的には、働いていない分は給料は支払わなくてよいということです。

法律上の整理としては、雇い主が給料支払い義務を負い、労働者が働く義務を負うという労働契約において

労働者の働く義務が、どちらのせいでもなく、はたせなくなった場合に、雇い主の給料支払い義務はどうなるか

という問題です。

結論としては、給料の支払い義務も消滅します。

これをノーワークノーペイの原則といったりします。

労働者側からすれば、自分が悪いわけではないのに、給料がでない!ということになりますが、

働いていない以上、給料はでないということになります。

会社側からすると、休業によって売り上げが上がらないのに、給料だけ出て行ったらつぶれてしまうからです。

今回のQ&Aは計画停電による休業について書いていますが、電車の運行停止によって始業に間に合わなくなってしまった場合も

基本的にはノーワークノーペイで、遅刻ぶんの給料はでないことになります。

今回の状況の中で、実際には柔軟に対応しているところが多いとは思いますが、法律上の建前ではこうなっています。

プロ野球開幕の可否

木曜日, 3月 17th, 2011
震災はプロ野球の開幕にも影響し,

パリークは延期しましたが,セリーグは予定通りとのことです。

セリーグの判断には批判が多い気がしますが,私は予定通り開幕したほうよいと思います。

私は,大きな災害に被災したことはありませんが,登山中での停滞(悪天で身動き撮れずに,一日中,テントの中にいること)

等の感覚からすると,危難時とはいえ,退屈感というのは,バカにならない問題だと思います。

もし,避難所等にいる人が,

比較的高齢の人が多く,プロ野球好き(巨人ファン?)も多そう

ラジオでも聞くことができる。

という状況であれば,毎日ナイターが始まるのを楽しみにする人は,意外に多いと思います。

大変な状況でも,毎日楽しみがあり,また昼間もプロ野球の話題をする相手がいれば,大分気が晴れるでしょう。

娯楽もなく,ひたすら避難所で過ごすというのは,かえって酷なのではないかと思います。

東日本大震災

火曜日, 3月 15th, 2011
3月11日、東日本大震災が起こりました。


テレビで見る津波の映像は、

自分の中に漠然とあった津波のイメージをはるかに上回るものでした。

何か逆らいようのない巨大なエネルギーの存在を見せられた気がして

いまだに混乱しています。

あれが津波だと理屈では分かっていても

「一体あれは何なんだ」

という気持ちに整理がつきません。


この大地震も海面全体としてみれば、

わずかの揺れなのでしょうが、人間にとってはどうにもなりません。

”自然の猛威”という言葉がチャチに思えるほどの映像を

何度もみてしまいます。


津波という原始的な恐怖とともに、

いかにもハイテクな恐怖も未だに進行中です。


また、この震災で被災した原子力発電所のニュースを見るにつけ

原発の潜在的な脅威が明らかになるとともに、

通常の生活が原発に支えられていることも、

計画停電騒ぎで明らかになりました。

しばらく、頭の中の混乱は続きそうです。


最後になりましたが

このたびの大地震で被害に遭われた方々には

心よりお見舞い申し上げますとともに

1人でも多くの方のご無事を祈念します。

国も武富士違法利息の受益者?

水曜日, 3月 9th, 2011
昨日、武富士の過払い金配当率について書きました。

そのなかで、

「過払い金の返還は、今までは他の多重債務者が負担していたが
それができなくなった。
しかし、他の多重債務者に請求できなくなったからといって
それで過払い金を返してもらうのは諦めなさいとうのではなく
別途責任を負うべき人がいるような気もします。」
と書きましたが、この件について、さっそく続報がありました。

武富士、今度は法人税の巨額還付請求

被害者救済に充当予定も国税当局判断不明



武富士は、違法金利をもとに営業し、巨額の利益を上げていました。

その利益に対しては、当然、税金が課されていましたが、

「もし違法な金利をただして考えれば、利益はないはずだから
おさめた税金の還付を求める!」
というのです。


法人税の実効税率は、40%程度です。

これは利益の半分近くになります。

つまり、武富士の違法金利営業のもうけの

一番の受益者は、”国”だったのだろうと思います。


違法金利に基づいて払ってしまったお金(過払い金)の半分近くが

税金となって国の懐に入っていたわけですから

国はそのお金を、過払い金を取り戻す権利のある人たちに返すのは

当然と言えば当然でしょう。

早急に対応して欲しいものです。


ちなみに、昨日とりあげた記事のなかで

”配当率10%未満”の根拠は

債権額が1兆円超なのに対し、

スポンサーによる武富士の買収金額が1千億未満であることからでした。

これに、今回の記事の1千億円規模の法人税の還付が加われば、

過払い金の配当率も20%近くになるかも、と少し期待できそうです。


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