Archive for the ‘弁護士勝俣豪の日常’ Category

びっくりしたー 消費貸借契約 わき道

木曜日, 5月 10th, 2012
昨日付で,消費貸借契約について
利息を決めないと基本的には無利息です。
と書きました。

ところが,本日入手した,弁護士が書いた少し軽め,でも基本まじめな本を読むと
個人間の貸し借りで,利息の定めがない場合は年5%の利息がつく
と書いてあります。

・・・・・。はじめは,「デタラメ書いちゃって。やれやれ」と思いましたが,
もしかして,自分が勘違いしているかも。
未だに,そういうことはマレにあります。
当たり前だと思っていたことが,実は調べ直してみたら
勘違いで,冷や汗ということが。

六法で法定利息5%を規定したの民法404条を見てみます。
当然,そこには,そんなことは書いてありません。
でもそこに記載された関連判例で,
特約のない限り,借主は,消費貸借成立の日から利息を支払うべき義務がある。
という最高裁の判例が記載されています。
ということは自分が間違っていたのか?

でも,そうしたら,
消費貸借と利息契約を別に考える,法律家の通常の発想との整合性は?
商法513条は,商人間の金銭消費貸借で利息の約定がなくても
利息の請求できるとしてますが,それは商人以外は特約がなければ
利息を請求できないからではないか?

色々と頭の中をめぐります。

件の最高裁判例を判例検索ソフトで見てみます。
この判例は,特約がなくても利息がつくという意味ではなくて
利息の約束をしている件について
利息の計算の元になる期間について特約がないときは,
契約成立の日から計算するという判例のようです。
六法の要約の仕方が不親切ですね。

念のため色々書籍を調べますが,
消費貸借は無利息が原則という記載が多々あり,
ようやく,自分の勘違いではない,
自分の理解が通常の理解であることが分かり,ほっと一息です。

こういうこともよくあります。
でも,やはり他の弁護士が書いていることと
自分の認識が違っていたら,
念のため調べてみないと,安心できません。

ウィニング

水曜日, 5月 2nd, 2012
ジャック・ウェルチの『ウィニング』を読み終わりました。
ジャック・ウェルチは,GEを経営し,20世紀最高の経営者とされる人物です。

内容を,質問から構成している,つまり
色々なところで多く受けた質問に答えるという意図に基づいている
ので,色々と思い当たるところが多い本でした。

質問に答える形式をとって,
出来るだけ誠意を持って,それに答えようとすると
意外にも矛盾していて,ある意味では分かりにくい話になってしまうこともあります。

また,いったんは,直接的には関係ない話からしていった方がよいと
思われることもあります。

法律相談をしていると,そういうことが,よくあります。

この本も,そんなところがある本です。

本の中で,いまひとつ信用できない人の一例として,
質問には答えるが,聞いたことにしか答えないので,
いつまでたっても何かを隠しているのではないか
という気にさせる人のことが書いてあります。

質問する者が,完璧な質問をしない限り,
必要とする答えを得ることができないようなタイプとしています。

おそらく,本がそうならないよう,質問の直接の答えになっていなくても
そういう質問をせざるを得なかった質問者の悩みに想像を膨らませ,
その悩みの解決になるようなことを出来る限り書いているような印象です。

全体に,経営者目線での本音に近い,
経営側の人からすれば,自分の中にある感想・印象に太鼓判を押してくれる
ような記載が多いのですが,
逆の立場からすると,怒りを覚えるような記載も多いのかも知れません。

 

山菜のはじまり

水曜日, 4月 25th, 2012
山小屋周辺もだいぶ雪が解けてました。
そうなると,食べるものも出てきます。

まだ,ほとんど芽の類は見あたらないのですが,
念のため,去年から目を付けていた
フキの群生地に行ってみました。

大正解です。
「これでもか」というくらいフキノトウが出ています。
子供に採ってもらいます。
楽しいらしくどんどん採りたがりますが,
おそらく,子供に口には合うまい。
そんなわけで,夫婦で食べる気が起こる程度に抑えておきます。

そして,天ぷらと蕗味噌にします。
それなりに強烈な苦みがあります。
上の子は2つほど食べましたが,
下の子は少し食べて,辛いと言って拒否です。
確かに,苦いというより辛いかもしれません。

というわけで,フキノトウもデビューです。
昨年までは,タラの芽からスタートしていましたが,
フキノトウのおかげで,これからは
一足早く山菜を楽しめそうです。

車検連発

土曜日, 3月 31st, 2012
2年に一度の、おそろしい時期が来て、ようやく過ぎ去りました。
2台ある車が、同時に車検です。
あわせて620馬力、7年目と9年目の車検。

それなりのダメージとともに、一応終わりました。
7年目のほうは、新車で買ってすでに8万キロ超。
いくつかの車に乗りましたが、 ほとんど1万キロ前後しか
乗らずに乗り換えていますが、この車だけはすごく長距離を乗っています。

そんなわけでダメージも色々あったようで、
車検中の修理箇所も多く、予定通り車が戻ってきませんでした。
やむなく代車で、先日の春休みを過ごしました。

国産の5ナンバーのミニバンです。
この運転は色々新鮮でした。

乗った当初は、スタッドレス+土砂降りの影響もあったのでしょうか
フィールというものがほとんど感じられず、
つまり車が滑りそうなのかどうか、という情報が
ステアリング等からほとんど得られず、恐怖の運転でした。

しかも高速の合流での加速や、少し強めの減速では、何か車が不安定になって
横に流れる感触があり(エンジンが横置きで左右のバランスが悪いせい?)、
ずいぶんストレスの強い運転でした。

でも、そのうちクセをつかんで慣れてきて、晴れて路面が乾いた日は
ほとんどいつものようなペースで運転することができました。

エンジンは直4です。ゴーという何の色気もない音で回ります。
3000回転超えても、力強さに何の変化もありません。
でも、それがある種の道具感をかもしだして
それはそれで、 楽しめました。

エンジンの鼓動というのは不思議です。
バイクの単気筒や2気筒は
ドドドドドドドドドと強い鼓動があります。
でも、4気筒や6気筒あたりだと鼓動はあまりなく
ゴーとかガーとかいう音で
(一部、スバル等では鼓動が強く聞こえるものがありますが)
8気筒になると、再び
ドゥルルルルルルルルル
と鼓動が生じます。
いったいどんな理屈や仕組みなんだが、
そのうち調べてみようかと思っています。

まあ、そんなわけで、
エンジンは小さくても十分かもと思ったのですが、
ようやく戻ってきた、自分の車の独特の感じは
やはりなじんでいて、なかなかよいものです。

イカル

火曜日, 3月 27th, 2012
以前は,平日にちょこちょこ休みをとって,色々出かけていたのですが,
子供が小学校にあがってからは,なかなかそうもいかず,
平日に休む際は,子供の夏休み,冬休み,春休みのとき
にあわせることになります。

で春休みに,山小屋にいきました。
今回の一番の収穫は,プライベートゲレンデの完成です。
山小屋の脇の森が,ちょうどよい緩斜面なので,
ここを何とか,スキーのプライベートゲレンデにできないか
目論んでいました。

外国のスキー場や,アルペンルートの立山のあたりでみた,
Tバー式のリフトを設置すれば,何とかなるのではないか。
あんなものは,たいして高くないのではないかと考えていました。

でもなかなか入手手段もないままでした。

ところが,今年はウロコ付きのテレマークスキーが
そこそこ滑れるようになってきたことで状況がかわりました。
リフトなんかなくても,簡単に上ることができます。

そんなわけで,自力で上って,滑り降りるということを
楽しむことができました。
来シーズンが楽しみです。

さて,山の中は未だ雪深いのですが,春の兆しもでてきました。
外で遊んでいた子供が,・・・・・・と鳴いている鳥がいると,
メロディーをまねて,教えてくれます。
外に出ると,確かにきれいな声で,メロディーをつけて鳴いています。
おそらく,イカルに違いないということで,撮影をしているうちに,
いつものイカルのメロディーになりました。

鳥の鳴き声の同定には,ユーチューブにだいぶお世話になりましたので
感謝を込めて,誰かの役に立てばと,今回私が撮影したものも
ユーチューブにアップロードしておきました。

http://www.youtube.com/watch?v=-8F9cbw6c2Q
 

革靴と細板

日曜日, 3月 11th, 2012
今年は、ストックなしのテレマークスキーを楽しんでいましたが、
少しずつ革靴と細板のテレマークスキーにも挑戦しています。

靴は、登山靴のようなもので、ほとんど頼りになりません。
板は、現代のカービングスキーではなく、細い板で
しかも、裏にウロコというのがついていて、スムーズにすすみません。
(なお、ウロコは、上に上るためのギザギザです)。

以前に友人からサイズが合わないからということで靴をもらい、
それにあわせて板を買ったのですが、実際滑ってみると
ターンもままならないままにこけまくり、しばらくは山小屋のまわりの
散策程度にしか利用していませんでした。

ただ、先日、久しぶりに使ってみたら、緩斜面ではターンができたので
徐々に使いはじめようという気がおきました。

そして、靴も板も軽いので、軽快感は強いし、
靴はやわらかいし、かかとも上がるので、動きも自由で
上り坂も上ることができるので、
これで自由に降りてこれれば、かなり楽しそうです。

でも、実際にすべると、
板は細くて不安定で、体がぐらぐらするし
カービングスキーではないので、しっかり抜重をしないと曲がらないし
しかも板が重なると、すぐ、こけるし
さらに靴が足首を固めているわけではないので、油断すると捻挫しそうになるし、
そこまでいかなくても、こけるたびに靴に雪がどんどん入ってくるし
と、なかなか大変です。

とはいえ、これくらいできないと挑戦しがいもあるので、頑張ってみようと思います。
いずれは、革靴、細板、ストックなしができるよう、練習にはげもうと思います。

新聞の文章

木曜日, 2月 23rd, 2012
弁護士は,弁護士会という団体に所属しており,世の常として
その団体内部の仕事という面倒ごとが割り振られています。
(これを,業界用語で会務といいます)。

私は,弁護士会新聞を作る仕事をしています。

だいたい人に原稿を依頼して,その締め切り管理をしていればよいのですが,
まれに取材記事のようなものを書かざるを得なくなることもあります。

そうすると,世の中の新聞の文章がいかに良くできているか思い知ります。
やはり,新聞の文章はプロの文章です。
なかなかあんな風に,簡潔で読みやすく書くことは難しいです。

弁護士仕事で書く文章とは要求されていることが違うので,
弁護士仕事での文章を新聞調にすべきとは思いませんが,
文章を書く難易度で言うと,新聞の記事の文章を書けるようになる
能力というのは,弁護士の文章力よりはるかに高い水準にある気がします。

もっとも,一度そういう目でみると,新聞による文章力のレベルの差は
結構あることも分かります。

そんな中,今回はいわゆる朝日新聞の天声人語に相当する欄を
弁護士会新聞に書かなければならないことになったようです。

以前にも一度,その欄を担当して書いたことがあったのですが,
一度,ああいうものを書くと,いかに天声人語のレベルが高いか
気づかされます。

まあ,あれはマスコミの中でも,おそらくトップクラスの人がいる朝日新聞の
しかもトップクラスの能力を持つ人が担当する欄でしょうから
レベルが高いのは当然なのでしょうが,あれはすごいです。

私は,基本的に強気で,どちらかというと大口を言う方ですが,
今回,天声人語を超えるレベルのものを書く自信は全くありません。

さて,何を書いたものやら。

 
 

新種のスキー?

水曜日, 1月 18th, 2012
スキーシーズン真っ盛りです。
もともとは、スキーのゲレンデはスキーを滑るところでしたが、
目立ちたい、スキーは飽きた、スキーは難しい等、色々な理由でしょうか
スノーボードだったり、ショートスキーだったりが出てきて
一時は目立ち、そしていつの間にか、当たり前のように
とけこんでいます。

そんな中、私は何年か前からテレマークスキーという、
かかとがあがるスキーでゲレンデを滑っています。
ターンの仕方が普通のスキーと違うし、
ゲレンデには他にいないか、
いても数組程度しかいないので
まあまあ目立ちます。

そんな中、昨シーズンの最後のスキーで
ストックを持っていくのを忘れて、ストックなしで滑りました。
ストックなしの滑りは、片足すべりや、靴のバックル外し
と並び、スキートレーニングの定番です。

ところが、これがトレーニングというのを超えて、
かなり楽しいことが分かりました。
もともと、かかとが固定されていないので、
スキーよりかなり自由ですし、
両足がばらばらに動くので、当然スノーボードより自由です。

そんな中で、手も開放されると、ほとんど拘束感なく
ゲレンデを滑ることができます。
そして、バランスをとるために、手を広げて、ターンにあわせて
振り回してみたりすると、滑り方のシルエットは
普通のテレマークとはかなり違ったものになります。

ただ、かかとも手もフリーなので、安定感はかなり悪く
圧雪されたゲレンデで滑るのがちょうどよい感じです。
そんなわけで、これは新種のスキーだと思って
今シーズンは練習に励んでいます。

http://www.youtube.com/watch?v=P8xsehjzJio
こんな感じです。

 

安田信託学校?

日曜日, 12月 18th, 2011
IBM学校とかリクルート学校という言葉があります。
日本IBMやリクルートの出身者が、退社後、大きく活躍することから、
そう言われるようです。

さて、先日、旧職場の安田信託の同期の披露宴に招待されました。
当時、信託銀行は、新入社員の一部に、入社から夏場まで資格試験の勉強に
専念できる機会がありました。
私のときは、不動産鑑定士8名、税理士2名、公認会計士2名の合計
12名が、入社後夏まで勉強に専念しました。

なお、選抜は、税理士や公認会計士は学生の頃から受験していた人で
不動産鑑定士は、選抜試験によって選ばれました。
そのときに、ともに不動産鑑定士の勉強をした仲間の披露宴です。

このとき不動産鑑定士は5名が合格しました。そのうち2名は会社内の
不動産鑑定士として活躍しています。
うち、1名は私同様、後に弁護士になった島田康弘弁護士です。
今回、披露宴で15年ぶりに会いました。

うち1名は不動産鑑定士として開業している成田隆一不動産鑑定士です。
3年ぶりくらいに会いました。
最近本を出したとのことです。
(なお、もう1人は私です)

税理士のコースにいた2名も、その業界ではすでに有名になっているようです。
一人は、鈴木広典税理士です。
もう一人は、松崎為久税理士です。

会計士コースにいた一人も、今回の披露宴で15年ぶりに再会し、今は社内の
不動産鑑定士になっているそうです。

他の信託銀行の同じようなコースの人がどうなっているのか、
安田信託の他の期の人がどうなっているのか知りませんが、
私の期の勉強専念組は、なかなかの活躍のように思います。

当時の新入社員採用をしていた人事の人は、会社に対する忠誠心
は別として、随分バイタリティーのある人を集めたものだと思います。

私も負けないように頑張っていきたいと思います。

大河ドラマの江が終わりました。

日曜日, 12月 4th, 2011
今年の大河ドラマも、終わりました。
スタートは、明るい主人公で行くのかと思いましたが、
中盤以降は、辛気臭さ爆発で、義経以来の
陰湿な主人公でした。

秀忠との夫婦は円満ということですが、
あんな妻でしたら、99%寄り付かないと思います。

為政者の役割は、100人を犠牲にして1000人助けることです。
それができなければ、為政者の資格はないでしょう。
でも、それは一人の心情としては、極めて苦しい選択です。
それをフォローせずに、道徳的な非難の目で待ち構える、
為政者の妻として最悪としか言いようがありません。

たとえば、「アフリカの子にワクチンを 」なんて叫んでいますが、
日本がそういう状況にならないようにするためには、
多少、弱者保護を後回しにしても、経済を守らなければなりません。
経済や国力の充実より、目前の弱者保護を優先すれば、
将来においては、今の弱者保護よりはるかに低レベルの
弱者保護しかできなくなる。
そういうことを考えるのが為政者の役割だけれども、
為政者の個人の心情としては、なかなかつらいものもあるし、
世間的な批判もある。
その部分を、理解してやるのが、為政者の妻として上
一切、夫の仕事に関心を持たないのが中
世間レベルの道徳的批判を浴びせるのは下

ところで、徳川家は世界の歴史でも稀にみるほどの
平和な社会を気づいたのですが、それでも
「しょせん、徳川家の利益のためでしょ」
という視点からは逃れられません。
100人犠牲にしたのは、1000人を助けるためなのか
自分の利益のためなのか、常に疑念が生じてしまいます。
これは、人間がこの判断をする限りは常に生ずる問題です。

市場原理が、便利なのは、これを市場がしてくれることです。
100の企業をつぶして、1000の企業を助けるという判断を人がする場合
自らに親しい企業を助けたのではという疑念から逃れることは困難です。
でも、人格をもたない市場にはそういう疑念は生じませんし、
また、個人の心情における苦しみが生じることはありません。

まあ、そんなところで今年の大河ドラマも終わりましたが、
来年はもう少し明るい主人公に出てきてもらいたいものです。