Archive for the ‘弁護士勝俣豪の雑感’ Category

弁護士同士が知り合い?

火曜日, 7月 13th, 2010
最近、神奈川県内に事務所がある弁護士の数が1000名を超えました。

同じ神奈川県内に事務所がある弁護士同士は

知り合いだったり親しかったりすることがあります。

そうすると

事件の相手方の弁護士が自分の親しい弁護士ということもあります。

依頼者としては

「相手の弁護士が知り合いだからといって
遠慮したり、適当にされてしまうのではないだろうか?」
と心配される方もいるかも知れません。

しかしそのような心配はご無用です。

私たちもプロの世界で仕事をしているのです。

イチロー選手と松坂選手が親しいからといって

対戦するときに手を抜くことがないのと一緒です。

むしろ、親しいからこそ真剣に勝負するのではないでしょうか。

私たちも同じです。相手に

「この程度か。だらしない!」

と思われるのは悔しいですから。

また相手が知り合いだと

少なくとも汚い手は使ってこないという信頼があるため

話し合いがスムーズに行くというメリットがあるかも知れません。

実際には、相手方が親しいと言うことはそれほど多くありませんが

(顔見知り程度のことはよくあります)

優秀そうな知り合いとは

「一度、やりあってみたいな。」

と思うことはあります。

暗記の方法

金曜日, 7月 9th, 2010
もう15年程前ですが、不動産鑑定士試験の2次試験を受験しました。

(もう制度が変わったので、同じ試験はないかも知れません。)

その受験科目の中で「鑑定理論」という、暗記科目がありました。

当時の受験指導によると

役所が作成した不動産鑑定評価基準及びその周辺文書を

いかに一語一区正確に再現できるかが勝負とのことでした。

というわけで、ひたすらその文書の暗記に励みました。

試験直前には、記憶の確認に早口で再生するのに10時間以上かかる程の内容を

一語一句正確に覚えた気がします。

昔のことなので、10時間という時間が正確かは分かりません。

でも、1日の勉強時間内では

すべて再生しきれなかった気がしています。

受験勉強の期間は3、4か月だったのですが

その3、4か月の間に、それだけの分量の文書をいかに暗記するか?

同じ試験に向けて勉強していた友人に

暗記の方法を聞いてみました。

人によっては、文書を映像として記憶していました。

このタイプの人は、覚えるのがとても早いです。

でも、内容を理解しないで覚えているとのことで

意外に忘れるのも早かったり、ぽっかり抜け落ちたりするようでした。

また、ひたすら書いて覚える人もいました。

この場合、手が覚えるようです。

私自身は、内容を理解し、その理解した内容を自分で再現してみて

もし覚えるべき内容と違っていたら

ニュアンスを含めた理解がずれたいたものとして

理解を直す、という作業をしました。

私以外にも同じタイプがいました。

この覚え方には

覚えるのが遅いが一度覚えると忘れにくいという特徴があると思います。

”究極の課題”が与えられると

人の能力の特徴が見えて面白かったです。

試験には無事に合格することができました。

でも不動産鑑定士試験は

2次試験後実務経験がないと資格にならないので

試験に合格しただけの私は

不動産鑑定士の資格を持っているとは言えません。

そして当時覚えた文書は、今となっては全く覚えていません。

でも、理解して覚えたので

何となく不動産鑑定がどんなものかの理解は

自分に残っていると思います。

血液型

金曜日, 7月 2nd, 2010
血液型と性格に関係があると思っている人は多いようです。

10年以上前のことですが

野球では投手と野手では向き不向きが

性格で違うと耳にしたことがあったので

血液型との関連を調べてみようと思い立ったことがありました。

パラパラと選手名鑑をめくり

思いつく有名な選手を見ていきます。

すると、投手は圧倒的にA型が多く

野手は別の血液型(何だったか覚えていません)が多いようでした。

この結果、どうも血液型と関連がありそうです。

しかし、もう一度検証しようと思い

前年の打撃30傑と,投手30傑について

血液型を調べてみました。

すると、投手の血液型の比率は見事なまでに

野手の血液型の比率と同じでした。

つまり,血液型と野手か投手かにはほとんど関連がなさそうです。

この調査でおもしろいなぁ、と思ったことは

何か関連があるのでは?と

ランダムに見ていくと

関連がありそうに見えてしまったことです。

先入観に基づいてものを見ると

誤って判断してしまうこともあるということです。

今でもこの事は心に留めていて

仕事で証拠書類などを見るときは

先入観をもたずにできる限り冷静に分析しています。

尊属と卑属

金曜日, 6月 25th, 2010
法律用語で「尊属」「卑属」という言葉があります。

「そんぞく」「ひぞく」と読みます。

尊属というのは、親や祖父母のことです。

卑属は、子や孫のことをいいます。


どちらも耳慣れない言葉だとは思いますが

ニュースなどで子が親を殺害したような事件で

尊属殺人」という言葉を聞いたことはないでしょうか?

この「尊属」はつまり親や祖父母のことです。


一方の「卑属」、子や孫のことは

漢字の意味から考えると「いやしい属」というのは

考えてみればすごい言葉です。


話は戻りますが

以前の尊属殺人を犯した場合の刑罰は死刑か無期懲役でした。

一昔の感覚からすると

”親殺しをする人間なんて人間じゃない!”
という位の感覚だったのでしょう。


ひるがえって最近は

親による子の虐待の方が、世間的な興味や関心もあり

弁護士会にも”子どもの権利”に関する活動をしている委員会もあります。

しかし”親を大切にしましょう”という運動をしている人がいるという話は

聞いたことがありません。


日本人は変わってしまったのでしょうか?

そのうち、尊属卑属の意味が入れ替わる日がくるのかもしれません・・・。

弁護士の”上中下”

火曜日, 6月 15th, 2010
今日は、内容が少し一般的でないかもしれませんが

弁護士の”上中下”についてお話します。

”下”の弁護士は、実務的な運用を知らない弁護士です。
”中”の弁護士は、実務的な運用に則したアドバイスをする弁護士です。
”上”の弁護士は、実務的運用を踏まえながら
それにとらわれず新しい実務を作り出していくような弁護士です。

実務的な運用といっても抽象的ですが

たとえば

交通事故の事案であれば

いわゆる「赤い本(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)」
が損害賠償の基本ですし

「判例タイムズ」に掲載されているチャートが過失割合の基本です。

離婚の事案であれば

”養育費や婚姻費用の算定表”が基本です。

破産事案であれば

”財産の20万円基準””退職金の8分の1基準”がそれに該当します。

上記のような”基準となるもの”は案件によって無数に存在します。

そして、こういったことをいかに知っているかが

その分野に詳しいかどうか、ということにつながります。

実はこのような基準は、法律でも最高裁判所の判断でもありません。

ですから、これらを知らなくても

「法律を知らない」ということにはなりません。

しかしこういったことを知らないと

取り返しのつかない判断ミスをすることもあります。

事案の早期解決のために

これらの”基準”に従うのが上策のことが多いのも事実です。

しかしたとえ依頼者の言い分が

これらの”基準”とは異なる場合でも
「”基準”とは違うから無理でしょう」
とあっさり見切りをつけてしまうのではなく

依頼者の話にじっくりと耳を傾け

裁判官を説得できるか検討してみることが大切です。

もちろんそういった事案を解決するのは簡単な話ではありません。

必ず依頼者の望むような方法で解決できるとも断言できませんし

解決まで長期間を要する可能性もあります。

それでも依頼者が望む解決をめざして全力を尽くします。

それが私の目指す”上”の弁護士のあるべき姿だと思っています。

雑誌「AUTOCAR」

金曜日, 6月 11th, 2010
AUTO CAR JAPAN (オートカージャパン) 2010年 07月号 [雑誌]
AUTO CAR JAPAN (オートカージャパン) 2010年 07月号 [雑誌] ネコ・パブリッシング 2010-05-26
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「AUTOCAR」という車の雑誌があります。

イギリスに本家の「AUTOCAR」という雑誌があり

日本版「AUTOCAR」の記事の1/3?程度はイギリス版の翻訳記事です。

「AUTOCAR」の翻訳記事のレベルは、日本の車雑誌の記事とは全く別物です。

どのような車をすばらしいと考え

どのような車を悪しと考えているのかが

記事全体からひしひしと伝わってきます。

そしてその価値観は、雑誌全体を通して、一貫しています。


「試乗レポート」では

その一貫した価値観から考えて

よい車は絶賛するし

駄目な車は「買うに値しない」という評価をします。


「比較試乗」でも

勝ち負けを明確にすることが多く、その勝敗の理由も説得的です。

ジャーナリストという職業が、尊敬の対象になる職業であることがよくわかります。


さて、日本の弁護士が、裁判で提出する書面はたいてい”主張”書面といわれます。

ところが実情は、”主張”とは名ばかりで

単に事実の羅列にすぎない書面だったり

いたずらに感情的だったりるす書面に

しばしば出くわすことがあります。


当事務所では、徹底的に法的問題を精査した上で

「この事件ではこの点が大事だと考える」
「このような解決が妥当である」
といった視点や価値判断を明確にし

冷静で理論的な”主張”に値するような書面を作成するよう心がけています。

最小不幸社会

金曜日, 6月 11th, 2010

菅直人首相が先日の首相官邸での就任会見で

「最小不幸社会」という言葉を使いました。

 

この言葉の出所は

ロールズの”正義論”が背景にあるのではないかと言われています。

 

私はロールズの著作を読んだわけではないので、

ゆるい理解の範囲ではありますが

「社会において一番不遇な人の利益の最大化が(マクシミン原理

正義である」という発想です。

 

倫理学上もっとも有力な考えは”功利主義”

つまり最大多数の最大幸福の原理です。

この原理は基本的には

政治・経済における市場主義と重なります。

 

”功利主義”

「最大多数の最大幸福を目指すことがよいことである」

という理論です。

この理論は

①平等を目指すわけではない(弱者を考慮しない)

②各人が自分の利益追求すれば,世の中がよくなる(いわゆる「見えざる神の手」の市場理論)

という意味を含みますので,感情的な反発もあります。

 

そこで、より感情的にしっくりする思想が色々と唱えられ

その中でも比較的受け入れられた思想のひとつが

ロー ルズの” 正義論”なわけです。


私自身は、ロールズの正義論をきいたときは
あまりピンと来ませんでしたが

首相の考えは、国民に伝わったのでしょうか?

”慎重かつ大胆”

木曜日, 6月 10th, 2010

この言葉は、昔、雪山登山の訓練を受けていたときに

”雪山の歩き方のコツ”として教えられました。


滑りやすく、かつ滑落すれば命に関わる雪山を歩くには

当然慎重でなければなりません。

しかし慎重になるあまり

臆病になって腰がひけると

かえって足元が危うくなり、滑落しやすくなります。

雪山を最大限安全に歩くには

細心の慎重さを持ちながらも

大胆に思い切って歩いていく度胸が必要ということです。


この話を聞いたときは

「そうは言っても急斜面や凍りついた斜面を大胆に歩くのは恐ろしい。

言うは易しだな」


などと思った程度でした。


しかし今では

”慎重かつ大胆”という言葉は

とても応用のきく気の利いた言葉だという気がしています。


山菜採り

採ってきた山菜やキノコを食べる時にしても

調べられる限りは慎重に調べつくして

最後はエイヤ!と大胆に食べます。



仕事上でも

事案を丹念に分析し、法律上の争点を徹底的に調査し

事態が悪く運んだ場合のはどのように対処すればよいか、慎重に検討します。

そして最後には、自分の分析、調査、検討をもとに決断をくだし

大胆に事案の解決をめざします。



私の経験上、仕事にしろ日常生活にしろ、

最後はエイヤ!と腹をくくって大胆に進めることで

事がうまく運んでいるような気がします。

横浜の弁護士刺殺

木曜日, 6月 3rd, 2010

横浜の事務所内で刺された弁護士が死亡

先日、横浜の弁護士が刺殺されました。

事件から数日過ちますが、犯人はまだ捕まっていません。

同業者として、非常に痛ましい事件です。

 

弁護士の仕事は

人の恨みや憎しみといった強い感情と

向き合って仕事をする場面が多々あります。

このような特色を持つ仕事はほかにあまりないように思います。

 

依頼者と相手方、両者がじゅうぶん納得のいく和解を目指すことが大前提ですが

人と人との問題ごとを解決するのは、なかなか簡単にはいかないものです。

 

なお当事務所では、このようなトラブルを防ぐため

依頼者であれ、相手方であれ

事前に面会のご予約をいただくようお願いしています。

 

 

最後になりましたが、事件に遭われた先生のご冥福を

心よりお祈りいたします。

横浜最大の弁護士法人

火曜日, 6月 1st, 2010

今回は当事務所の組織構成についてお話しいたします。



弁護士法人マイタウン法律事務所は

現在8名の弁護士が所属している弁護士法人です。


「法人組織」としての法律事務所で

所属弁護士数8名というのは、横浜最大の規模です。



「法人組織でない」法律事務所で

所属弁護士数が当事務所より多い事務所は他にもあります。

そのような事務所では、同じ事務所内で仕事はしているものの

弁護士それぞれが独自の仕事をしているというケースが少なくありません。


一方当事務所では

「法人組織」であることの利点を最大限にいかして業務にあたっています。

弁護士間の情報の共有や意見交換は活発に行われています。


「受けた事案は担当する弁護士個人のものではなく事務所全体のもの」

という意識を持って

依頼者1人1人にとって最善の解決方法を導き出せるよう日々活動しています。



”組織力”をいかして

より高度な法的サービスを提供していきたいと考えています。