Archive for 4月 7th, 2012

弁護士業務のノウハウ

土曜日, 4月 7th, 2012
法律事務所も法人化して、支店(従事務所)を設けられるようになり
神奈川県内にも、色々とできました。

当事務所もその一つですが、
他の大半の事務所と当事務所とで、
一つ特徴的な違いがあります。

他の事務所の代表は、
いわゆるイソ弁としての修行期間が
ほとんどない人が多いということです。
つまり、早々に独立し、事務所を拡大してきた
バイタリティーの持ち主が多いようです。

私は、ボスのもと、4年間の修行期間を経て
お許しを得て独立という
当業界の伝統的な枠組みの中で育っています。

その結果、支店の出し方も当事務所と他の事務所では
随分違うようです。

当事務所の支店には、伝統的な観点からも十分な修行期間を経て
単独で独立開業しても十分な力を持っている弁護士が常駐しています。

ところが、他の事務所を見ると
新人か、毛が少し生えた新人モドキ
が支店長等としていることが、ほとんどのようです。

これは、他の事務所は、代表自身が、新人か毛生え新人モドキ
の状況で独立して、やってきた自負やノウハウがあって
「だからお前もできるはず」ということで、
支店長に栄転されるのでしょう。

正直、何とかなってしまうんです。
そして、多くの場合、それでおかしなことにはならないんです。

一般民事と言われる、離婚・相続・交通事故・債務整理等は
弁護士会発行のマニュアル類が色々あって、それをみながらやれば
まあ、だいたいのところ業務が成り立ってしまう。

そして、従来の枠組みで十分な修行を経た上で、さらに経験を積んだ
中堅・ベテランと言われる弁護士たちも、このマニュアルレベル以上こと
をできている人はほとんどいない。

さらに、裁判になれば、裁判官が、弁護士が駄目で結論が不当になるのを
避けることも多いので、弁護士が多少駄目でも、結果は左右されないか、
されたとしても、依頼者には分かる余地もない。

そんなわけで、マニュアル類一式渡された新人も
一般民事の弁護士として、世の中のお役に立つわけです。
問題が生ずるとしたら、マニュアルを理解するだけの法律基礎知識がない人か
マニュアルすら調べない人ということです。

これはどういうことか、というと
弁護士業界というのは、とるに足るノウハウがないということです。
ですから、支店拡大にあたって、他事務所を買収なんて面倒なことはおこりません。
自分で事務所を借りて、マニュアル持参の新人を置けば、晴れて支店開設です。

まあ、身も蓋もないとはこのことです。
伝統的な枠組みで育った弁護士は、「一緒にするな」と思うかもしれません。
確かに、伝統的な枠組みで育った弁護士は、
ほとんど、支店展開するような行動はしていません。

でも・・・・
先日、久しぶりに弁護士会の相談所に、行きました。
伝統的な弁護士が法律相談をするホームグランドの一つです。
離婚、相続、労働問題、消費者問題、色々なマニュアルが参照用においてあります。
背表紙に記載されている発行年は、ほとんど1990年代の数字が・・・・
10年1日のごとく、進歩がないマニュアルを使って業務が行われているようです。

伝統的な枠組みで育った弁護士の一人である私も
当事務所を一緒にするなと思っています。
債務整理事件は定型化して、マニュアル処理できる?
誰がやっても一緒?

私は破産管財人として、他の弁護士が申立てた破産事件に関与することも
多々ありますが、2,3件に1件は、
もし当事務所が申立てていたら、別の処理をして数十万単位で
依頼者の負担をなくせたのに、と思うような気がします。
ちょっとしたノウハウの積み重ねがあるはずです。
もちろん、こんなノウハウはマニュアル類には一切記載ありません。
逆に、マニュアルには駄目と書いてあることもあるかもしれません。

当事務所に、そういったノウハウがあることを
弁護士を探している人に伝えるのはなかなか難しい。
でも、先日、いわゆる浮気相手への慰謝料請求の
当事務所での解決実績をHPに載せました。

http://rikon.e-bengo.jp/jirei/isharyo.html
まるで都合がよい事案のみピックアップしたかのように、
当事務所で請求した側の味方をした場合の額に比べて
請求された側の味方をしたの額が小さくなっています。

でも、単に最近の事案をピックアップしたもので、作為はありません。
もちろん、当事務所に依頼すれば常に有利に解決するわけではありません。

ただ、この種類の事件でも、できるだけ事案の内容を詳細に把握して
有利な事情、不利な事情を見極め
それぞれの立場、経済状況、価値観、裁判の進捗等を
総合的に判断して、全力で仕事をしていると
ある程度、結果に差がでてきているように見えます。

少なくとも、現状、業界には取るに足るノウハウがない
未熟な状況であることをしっかりわきまえるとともに
卓越したノウハウを蓄積して、依頼者の役に立つとともに
それをうまく伝えられたらと思っています。