Archive for 9月, 2013

今年もキノコの季節

月曜日, 9月 16th, 2013
がはじまりました。

横浜は暑いので、まだだろうと思っていましたが、
山の中では、ジコボウの類がたくさんでていました。

ジコボウというのはハナイグチのことですが、
よく似たキノコにヌメリイグチというものもあります。
ハナイグチはカラマツ、ヌメリイグチは赤松
と共生相手が違うとのことです。
カラマツのあいだにアカマツが生えているような場所では
ハナイグチがメインで、たまにヌメリイグチらしきものもあります。

ハナイグチは、表面は明るい茶色で、
裏は黄色と、きれいな色をしています。

この仲間で、全体に薄汚れた白色の
シロヌメリイグチというのもあります。

これは、夏の終わりのハナイグチがまだ現れない時期にも
チョコチョコと顔を出します。
他のキノコがない時期に採れるので、
その時期にとります。
あまり味はしない気がしますので、食感を楽しみます。

こういうジコボウ類の中で、一番うまいのが
キノボリイグチです。
ちょっとピンクっぽくて、カサの表面がささくれています。
どうウマイかというところですが、
どれも似たような風味ですが、風味が一番強いのがキノボリイグチです。

そういうわけで、ジコボウ類の味ランキングとしては
キノボリイグチ
ハナイグチ
ヌメリイグチ
シロヌメリイグチ
という順です。

今回は、例年わずかしかとれないキノボリイグチが多めに採れたので、
うまいキノコ汁を食べることができました。

また、久しぶりに新たなキノコを学習しました。
アミハナイグチというキノコです。
図鑑で見ていて、近辺にもあるはずと思っていたのですが
なかなか出会えませんでした。
今回は、もしや、と思って採ってみて調べてみたところ
裏の形が管孔なのに放射状という独特の模様であることが分かり、
採ったものがアミハナイグチであることが確信できました。
別名カステラと呼ばれてフニャフニャの食感でしたが
風味はそれなりにあり、うまかったです。

司法試験合格者は現状維持

水曜日, 9月 11th, 2013
司法試験の合格者は今年も2000人程度でした。

風向きが変わったので,大幅に減ったりして,
等と思っていましたが,一安心です。

というのも,仮に合格者1000人だったら,
当事務所の今後の計画に大きな狂いが出かねないからです。
徐々に弁護士を採用して拡大していく予定ですが,
おそらく合格者が1000人だと,司法修習生の採用の力関係は
完全に逆転し,募集してもなかなか,採用できない状況になるでしょう。

そうなると,妥協して採用するか,無理に採用はしないということになって,
おそらく後者を選ぶことになって,拡大はしなくなる。

そんな危惧もありましたが,どうやらそこまでの心配はなさそうです。

こういう観点からすると,ある程度法曹人口を増やすというのは,
エンドユーザーと,弁護士の卵を仲介する立場にある法律事務所としては,
選択肢が多くなる分,有り難いのかも知れません。

ただ,いずれにしろ,問題は,今年も2000人ということは
志望者が減って,志望者の質も下がっていることからすると
明らかに合格水準を下げているということです。

いったい何のための資格制度なのか,よくわかりません。

業界内では,色々,すごい状況の新人弁護士の話がでてきます。
裁判所内でも,色々話題になっていることが,こちらにも漏れてきます。

で,裁判所がそういうことを言っていることについては,
人ごとのように言うな,
そういうのにバッチを与えているのは司法研修所だろうと
思います。

たまに思うのですが,法律事務所が新人弁護士を採用し,
仕事をまかせたところ,その弁護士が弁護士として当然知っていて
しかるべき知識を欠いていたためにミスを犯し,依頼者に迷惑を掛けた。
法律事務所は,依頼者に賠償をした。
このとき,こういう人にバッチを与えた司法研修所(国?)なり,
司法試験で合格させた法務省なり
こういう人を卒業させたロースクールなりに,この損害を求償できないか,ということです。

一定程度の知識があることの証として,資格がある。
その資格を信用して仕事を依頼したが,その信頼を裏切られた。
そのような無責任な資格付与をした責任追及と言うことです。

で,理屈は立ちますが,まあ司法界の中枢に喧嘩を売るわけですから
裁判で勝てる訳はないです。

ですが,地方裁判所の裁判官なりが,この理屈を認めて
司法研修所に対する求償を認めれば
裁判所がネタにしているような,どうにもならない人が
つまり,どうみても弁護士資格に値する能力がないと
裁判官が判断する人が,
弁護士になって卒業してくることに対する抑止効果は十分あると思います。
ということで,裁判官達はそういう権原を持っているのですから
人ごとのように言うな,ということです。

もちろん,弁護士という資格に期待して良い
最低限度の知識が何かという問題はあります。

でも,以前は,暗黙のうちになんとなく了解されていた水準があったと思います。
それが,崩壊して,採用する法律事務所側も,
弁護士資格というものの意味を理解できなくなった。
ということが問題なのだろうと思います。
その水準が下がったとはいえ,この程度のことは
分かっているらしいということが,つかみきれません。

で,おそらくその水準が毎年下がり続けているわけですから,
さらにその把握が困難になっています。

正直,日弁連なりなんなりで,別途,司法修習生に
法律知識を試す試験を実施してくれれば,多少は採用の参考になるのに
と思ったりします。

弁護士でさえ,現在の弁護士資格が何の能力を担保しているのか
理解できなくなっているということが,人数云々よりも
困った問題です。

 
 

バレンティンと田中(楽)の対決がみたい

月曜日, 9月 9th, 2013
今シーズンは,このまま駄目そうです。
スワローズファンにとって,あとの楽しみは
小川の最多勝・新人王とバレンティンのタイトルです。

正直,バレンティンについては,あまり期待していませんでした。
打つときは手がつけられませんが,気が向かなくなると,さっぱりで,
こういうタイプに,長期契約なんてしてしまったら,
今までの長期契約助っ人同様,全く働かなくなると思っていました。

ところが,今年は手がつけられないままです。
ホームラン記録だけではありません。
現在,長打率は.814で,OPSは1.278
それぞれの歴代記録は
長打率が 1位バース(86年).777  2位落合(85年).763 3位王(74年).761
OPSが,1位王(74年)1.293 2位バース(86年)1.258 3位王(73年)1.255

という状況です。王,バース,落合の最高成績を超えそうな勢いです。
つまり,プロ野球史上,シーズンレベルでは最高の打者といってよい状況です。

そして,パリーグでは楽天の田中が開幕20連勝で,これまた
プロ野球史上,シーズンレベルでは最高の投手といってよい状況です。

ことしは,何の偶然か(偶然ではなく一流選手のメジャー流出の当然の結果かもしれませんが)
同時に,シーズンレベルでの最高の打者と投手が登場しているわけです。

そうするとバレンティンと田中の真剣勝負は,史上最高の対決になります。
田中はバレンティンから逃げないでしょうし,
バレンティンもフルスイングで応えるでしょう。

でも,これはかなわぬ夢です。
もうスワローズが日本シリーズに出ることは無理でしょう。
交流戦でも対戦はなかったようです。

来年,両者が日本に残り,しかも今年のような状況であれば
交流戦での対戦はありえますが,なかなかそうもいかないでしょう。

あまり,こういう誰対誰という対決には興味がなかったのですが,
今年,田中とバレンティンの勝負は是非見てみたかったです。

弁護士事務所の人時生産性その2

水曜日, 9月 4th, 2013
前回,弁護士事務所の人時生産性のことを書きました。

そして,法テラスの料金だと通常の飲食店のアルバイト並になりかねない
ことを書きました。

ということは,法テラスを積極的に受任している事務所で働いている弁護士は
飲食店のアルバイト並の給料しかもらえていなくても,それは当然ということです。

事務所がぼった食っているとか,搾取されているとか思うのは,勘違いです。

いくら頑張って仕事をしても,そこから生まれている時間あたりの売上は
飲食店のアルバイト程度です。ですから,その仕事をしたことに対する
時間あたりの給料も飲食店のアルバイト並ということです。

それをどう思うかは,人それぞれの考え方だと思います。

ただ,当事務所は上記のような状況は,当事務所に依頼する方にとって
良い状況ではないと考えているので,法テラスの利用はお断りしています。

弁護士事務所の人時生産性

月曜日, 9月 2nd, 2013
サイゼリアの正垣泰彦氏が書いた本に,通常の飲食店とサイゼリアの人時生産性の話があります。

普通の飲食店だと2000円から3000円
サイゼリアは生産性を高める努力をして4000円から6000円とのことです。
人繰りを工夫して,店としての生産性を高めることが店長の仕事ということなので,
アルバイトを含めた数字だと思います。

この人時生産性というのは,1人が働いた時間あたりの粗利です。

ここで,弁護士事務所の人時生産性を考えてみます。
弁護士事務所の売上は,仕入れがないので,基本的に売上=粗利です。

そこで,弁護士の稼働時間と事務スタッフの稼働時間を,売上で割ればよいということになります。

司法改革以前の,伝統的な一般民事の個人事務所のイメージとしては
弁護士1人,事務スタッフ1人で売上2000万円というところでしょうか。
ここで,弁護士も事務員も一日8時間,9時から17時まで働くとすると,
平日はだいたい20日なので,1人あたり160時間となります。
これしか働かない弁護士は少数派でしょうが,いわゆる会務・公益活動という
仕事とは別の活動を除くと,この程度かもしれません。

年の売上2000万円は,月あたり約166万円,弁護士と事務スタッフが2人で320時間働きます。そうすると人時生産性は約5200円です。
バイトを含めたサイゼリアの平均的な金額です。

仮に弁護士は事務スタッフの倍の生産性があると仮定して計算すると
事務スタッフの人時生産性は約3400円,弁護士は6800円です。

サイゼリアの生産性が高いということがあるにしても,実際のところ,弁護士事務所はサイゼリアのアルバイトと従業員程度の仕事の対価しかとっていないという事実がここから分かります。

ただ,弁護士の個人的な生産性はかなり差があるので,とても生産性の高い弁護士は大きく稼いでいるという事実はあると思いますが,平均的なところでいうとそんなところなんだろうと思います。

こういう観点からすると,払う側からすると,とても高くみえる弁護士費用が実はぎりぎりなんだ,ということが分かるかも知れません。

少なくとも,一般的な民事事件の相場より大幅に安い法テラスの金額は,かならず無理がでることが分かると思います。法テラスの価格は,通常の3分の1程度になることも多いですから,一般の飲食店のアルバイト程度の対価しか,弁護士の仕事の対価を払っていないことになります。これで,まともな仕事を期待するのは,さすがに無理です。

まあ,根本的な問題は,弁護士の仕事の生産性が低いということにつきます。当事務所としては,ここの抜本的な解決のために,取り組んでいます。

が,現状の弁護士の仕事の生産性を前提に考えると,一見高く見える弁護士費用も,実はすごく手間がかかっていて,全体としてみると,サイゼリアのアルバイトを含めた従業員程度の仕事の対価しかもらっていないことになります。